
ゆるキャン△
と言う漫画を皆さまご存じだろうか。
ざっくり言うと女子高生達が仲良くキャンプするという内容なのだがこれがまた面白いのである。
今回はそんなゆるキャン△を知らない方のために前半はゆるキャン△の紹介、後半はネタバレありで映画の内容を語ろうと思う。
本当はゆるキャンの画像をがっつり使いたいんだけど、著作権とかもろもろが厳しい時代。
ネットのどこを探しても著作権関連の表記が見当たらないものならいざ知らず、ゆるキャン△が連載されている芳文社のホームページに画像とかは使わんといてねって書いてあったからそれに従おう。
(本当は事実無根のめちゃくちゃネガティブなことを書きでもしない限り優しい人類は許してくれるだろうけど一応ね)
珍しく文章だけでブログを書いていくことになるが致し方なし…!
▼ゆるキャン△てどんな内容?
さっきもざっくりと言ったがゆるキャン△は女子高生達が仲良くキャンプする漫画である。
そしてアニメ化もしており、現在は2期まで放送されている。
仲良くキャンプ、と言っても女の子たちがベタベタに仲が良いとか、非現実な環境でキャンプを繰り広げるというものではなく、僕たちの日常となんら変わらない世界を生きる等身大の女子高生達がキャンプをするお話だ。
だから舞台は山梨だし、作中に出てくる場所も見た目も一部実際の名称とは異なるがほとんど同じものである。
▼ゆるキャン△の魅力
魅力は自分で探せ、以上だ。
と魅力を紹介すると言いながら無常にもいきなり読者を切り捨てそうになったが、これには訳がある。
美味しいカレー屋さんを想像して欲しい。ラーメン屋でもいいけど。
そこのカレーはスパイスにこだわっていて店主は本場インドに修行に行った身でもある。
店主は本当に心からカレーを愛していて、美味しいカレーを提供するためにカレー以外の料理も研究している。
そば屋の出汁の作り方、ラーメン屋のコクの生み出し方、はたまたフランス料理までとカレーを美味しくするための努力は一切怠らない。
食材にももちろんこだわりを持っていて、ラーメン屋から着想を得たチャーシューカレーは絶品の一言。
一度食べればリピーターになるのは間違いなしのカレー屋だ。
そんなカレー屋に一緒に行こうと僕が誘ったとする。
すると誘われた側は今説明されたポイントがそのカレー屋の良いところで、これくらいの満足度は得られるんだろうな、という思考でお店に向かうことになる。
つまり一種の思い込み状態になるのだ。
この状態になると自分でそのカレーの良さを探さなくなる可能性が発生する。
そして初めて食べた時の衝撃も薄まるかもしれない。
ゆるキャン△の魅力にも同じことが言えると僕は思っている。
あまり多くを語り過ぎるとまだゆるキャン△を見たことがない人に「この作品はここが良くて、ここを楽しむものなんだ!」という考え方を植え付けかねない。
だからまだ読んだことがない人には是非自分だけの魅力を見つけてほしいと思う。
ちなみにこんなことを言うのもなんだが、僕はゆるキャン△はアニメから入った人間だが、アニメ自体に特に興味はなかった。
何なら放送が終わった後にdアニメストアで視聴したくらいだ。
最初は「お風呂入ってる間暇だから見るか」が次第に「へーキャンプ道具ってそんなのもあるんだ」となり「あのご飯美味しそうだな…あれくらいなら自分でも作れるか」「そう言えば富士山って実際には見たことないよな」「キャンプ場で富士山見ながらカレーめんか、なんか、いいかもしれないな…」になっていったのだ。
繰り広げられる展開には超常現象や世界の命運をかけたバトルもなく、ただただ当たり前の日常の中にキャンプというスパイスがあるだけ。
日常の生活の中にゲームというスパイスがある自分と何ら差はない生活だ。
だからこそだろうか、なでしこが富士山を見た時、リンちゃんが原付で道路を走る時、野クルの面々がサークル活動をしている時、その時々に感じている感動や楽しさを、気づけば見ているこちらまで感じているのだ。
当たり前の生活だからこそ、この楽しそうな輪の中に自分も飛び込んでいけるんじゃないか?と思わせてくれる。
最終的にはアニメを繰り返し見る時の心境は実家に帰省する時のそれと同じような安心感を与えてくれるものになっていった。(実家住まいだけど)
ゆるキャン△は登場人物たちにもとても魅力がある。見た目だって可愛い。松ぼっくりだって可愛い。原付までも可愛い。
そんな世界をお暇な時間があれば一度覗いてみるのもいいかもしれないと僕は思う。
さて、初めての方への説明が長くなったが(長すぎたので実はこれでも半分くらい削った)、ようやくここからが映画のネタバレを含む語りの場である。
正直ゆるキャン△を説明している間に語りたい欲がわりと満たされてしまって、何なら記事は前後編に分ければよかったと思っているが、その反省は次回以降に活かそうと思う
ここから先は映画のネタバレが含まれるため、映画を見ていない方は是非視聴後に読むことをお勧めします。
まだの方は戻ったかな?
いいね?
ネタバレありだよ?
ではどうぞーw
一番驚いたのは映画ゆるキャン△にはマイナス要素があったこと。
とても意外だった。
ゆるキャン△は基本的には「今回はこんなキャンプをしよう!」 → 「楽しかった!また一緒にキャンプしようね!」と楽し気なプラスの要素を繰り返していくお話しである。
たまに失敗はあっても笑って済ませられるか、周りの人たちのおかげでなんとかなる。ということがほとんどだ。
今回のゆるキャン△はなでしこ達が大人になってからのお話しで「みんなでキャンプ場を作る」という内容なのは事前に知っていったものの、今回も色々苦労しながらも自分たちのキャンプ場を作り上げて「またみんなでキャンプしよう!」とそんなふんわりのほほんな内容になるんだろうな。
それに癒されに行こう。
そう思って映画館に足を運んでいた。
ところがどっこいその考えは物語中盤でひっくり返される。
キャンプ場の計画がなくなってしまうシーンだ。
その理由もとても現実で直面するような内容で、キャンプ場として整備していた土地から本物の土器が発見されるというもの。
「それじゃあその土器の発掘が終わればキャンプ場作りを再開できるんだよね?」という問いに対して、
「それが…あの場所をキャンプ場じゃなくて博物館にしようって計画が出てて…キャンプ場の案は正直厳しい…」
見守っている僕からしても「……」と言葉を失ってしまうようなどうしようもない状態。
思えばイヌ子が務める学校が閉校になる話が物語の途中で出たところから雲行きは怪しかったのだろう。
この「みんなで努力していた計画がなくなる」という出来事があったために、「ゆるキャン△とは女子高生達が集まって仲良くワイワイキャンプをするお話し」という図は消し飛んでしまった。
それと同時に「大人になったら」という大きなテーマを突き付けられた。
現実でも大人になれば子供の頃に見えなかったものが見えるようになる。
何ができて、何ができないかがなんとなく分かるようになる。
どれだけお金が必要か、どれだけ時間がかかるか、どれだけ大人の事情を覆せないか。
学生という社会から大人という社会に足を踏み入れた途端に急に現実が無常なものに感じてしまうような時がある。
「(大人って)なんでもできる訳じゃないんだよね」
山の中の温泉のシーンでなでしこが呟く一言が深く深く心に突き刺さった。
誰しもが子供の頃に一度は思う。
「大人になったら〇〇を買おう!」「大人になったら〇〇をやろう!」
大人には無限の可能性が秘められているように感じられて、大人になることをずっと夢見てた。
ただ実際に大人になってみると子供の頃に思っていたほど大人は自由じゃなくて、出来ることも限られたりして。
それどころか日々の生活で精一杯だったりして。
子供の頃に想像してた大人の生活ってこうじゃなかったよなぁ、と僅かに、少しだけ寂しくなったりする。
「私も、大人になったら何でもできるって思ってたよ」
リンちゃんが続いて呟く言葉に自分自身深くため息をつき、そうだなぁそうだなぁと同意してしまった。
そして温泉の中で学生の頃の自分たちのこと、あの頃想像していた大人になった自分のこと、そしてみんなで作り上げていたキャンプ場のことを話し合うリンとなでしこ。
結局自分たちは「自分たちが感じた楽しいを誰かに繋げていきたかったんだ」
私たちにとってはそれがキャンプだったんだ。
「大人だから出来ることもあるよね」
なでしこのこの一言で僕の涙のダムは決壊した。
大人になったらなんでもできる!と思ってた期待は裏切られて、大人の小ささを見せつけられた。
けど、大人になったからこそできることもあるんだよね、ということも同時に知ったんだなと。
もちろんこの答えになでしこが至ったのには理由があって、劇中でなでしこはキャンプ用品のお店に勤めていて、その中で女の子3人組の学生を接客をするシーンがあるんです。
3人組がなでしこに「なにをどうすればキャンプになるかが分からない」と言うと「泊まらなくてもいいんですよ。なんでもいいんです。初めはカップめんとかを持ってその場で食べるとかでも立派なキャンプですよ」と答えるんですね。
そんなことでいいんだ?じゃあできそう!カップめんだったら何食べる?とワイワイと話す3人組を昔の自分達と重ねて微笑ましそうに見つめるなでしこ。
その時になでしこは自分が何をしたくて、これからどうするかということがハッキリと心に決まるんですよね。
そんな決意からでるさっきの言葉。
「すごいな、なでしこは」と漏らすリンちゃんの言葉を聞きながらやっぱりこの2人の組み合わせは最高だなと心のガッツポーズを決めました。
そこからのいつものゆるキャン△らしいプラスの展開がまー!もうすごい!
土器の博物館の話を覆すわけではなく、ある物は使おう!の精神で発掘された土器のことを学べたり、土器の野焼き体験が行えるようなブースを設け、土器とキャンプ場を組み合わせた施設を提案。
その案は見事に通り、晴れてキャンプ場は完成。
土器とキャンプをかけ合わせたキャンプ場の案が通った時に千明がみんなに送った採用の写真は涙のダムの2度目の決壊ポイントだった。(キャンプ場の計画自体はやまなし観光推進機構に所属する千明が高校時代のメンバーに声をかけたことで始まった)
▼結局なにが良かったのか?
「子供の頃に思っていた程大人って万能じゃないけど、大人になったからこそできることもあるんだよね」と大人であることをポジティブに伝えてもらったのが素直に嬉しかった。
あぁ、うんうん、そうだよねって。大人になって良かったなと思えました。
▼最後に
映画ゆるキャン△はアニメやマンガとは全く方向性の違う、だけど最後はいつものゆるキャン△でした。
何と言うかゆるキャン△メンバーと同窓会をしている感じがしたなぁ。
今話したシーン以外でもみんなでカニを無言でむさぼるシーンや、終電まで働き続けるリンちゃん、みんなの大人になってからの暮らしぶりなど見どころは盛りだくさん!
結果的に3回も映画館に足を運ぶことになったけど、未だに見るたびに新しい発見があるのもよく作られてるなぁと思う点です。
最近はキャンプブームということもあって、ゆるキャン△の存在を知っている方もたくさんいると思いますが、まだアニメやマンガなどで触れたことがなければ「ちょっと暇だなぁ」と思ったタイミングで内容を確認するのはありなんじゃないかなぁと思います。
僕的にはアニメから入るのがオススメです!画面を見てるだけで物語が進むのでw
ちなみに映画はそろそろどこの劇場でも上映が終わっちゃうと思うので、ちょっと気になるなと思った方は早めに見に行きましょう。(来場者特典ももらえるかもだよ)
Blu-rayBOXとかで発売した時には改めてこの時のこのセリフはこうだよねぇ!みたいな記事を4回くらいに分けて書きたいw
3回見てもやっぱり細かい流れとかセリフは忘れちゃうのでw
「映画ゆるキャン△」最高の内容でした!!
つづく。
- 関連記事
-
- 映画ゆるキャン△を語りたい (2022/08/21)
- 発売が先かクリアが先か (2022/05/29)
- 晴れ渡った、暖かい今日 (2022/04/28)
- 次回からはいつも通りで (2022/03/27)
- おやすみなさい、またいつか。 (2022/03/16)
スポンサーサイト